婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


「それに、これはあまり言いたくはなかったけれど、レイニー殿下とのダンスはみっともなかったですわ。殿下も渋々お相手をなさったのでしょうけれど、まったく釣り合っていませんでしたわ。わたくしがそばにいればフローラ様をお止めしたのに、ごめんなさいね。お役に立てませんでしたわ」

 止めどもなくスラスラと出てくる批判や非難。

 どう受け止めたらいいのでしょう。
 レイ様はファーストダンスも私と踊りたかった、二曲目も三曲目もっておっしゃっていたわ。あれが嘘だなんて思えない。あの庭園で二人でダンスを踊ったのに。

 釣り合ってないって、みっもないって、わかっているわ。自分の容姿くらい、地味、華がないって散々言われてきたんだもの。

「知っていまして? レイニー殿下に結婚の話が出ているそうですわよ。結婚も政治ですものね。本人の一存だけでは決まりませんわ。そうなるとどなたが選ばれるのかしら。フローラ様、もしやご自分が選ばれると思っていませんわよね?」

 蔑む目で私を見るビビアン様に首を左右に振りました。