婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


 これは、余計な口を出すなということでしょうか。

 臨戦態勢に入ったかのように、ディアナの瞳が爛々と輝いています。

 これは、止めることが出来ないわ。

 ディアナはわたしに任せなさいとばかりに続けて話し出しました。
 
「それに、侯爵子息と男爵令嬢は相思相愛。よろしいのではありませんか? 身分差を考えれば釣り合わないかもしれませんが、婚姻はそれだけが全てではないでしょう」

「何を言いたいのかしら?」

 ビビアン様も負けてはいません。

「つまり、両家が納得していればいいということですわね。今回の件は拗れることなくスムーズに解消に至ったのだと聞いています。そうよね? フローラ」

「ええ。そうです。何の問題もありませんでした。私もエドガー様とリリア様のことは祝福しております」

 私はきっぱりと答えました。
 エドガー様に未練があると思われたら、たまりませんから。