…放課後になり、わたしは靴箱で尚を待っていた。 目の前を、たくさんの生徒が通り過ぎていく。 チラリ、とわたしに目を向けて、そのまま歩いて帰って行った。 『…加恋!ごめん遅くなった!』 振り返ると、慌てて靴に履き替えようとしている尚がいた。 走ってきたのか、額にはうっすらと汗が光っている。 『待った?』 靴に履き替えた尚が、1番最初に言った言葉はコレだった。 「ううん、全然」 .