『ねぇ…加恋のことだけ忘れた、なんて…嘘でしょ?』 …嘘じゃ…ないんだよ。 もし嘘だったら、どんなに嬉しいか…。 「…ううん。嘘じゃ…ないの」 『…』 嘘じゃ…。 携帯を耳に当てたまま、ベッドの上に座っていると…じわじわと、視界が滲んでいく。 『…加恋?』 「…、…ん?」 .