『このケーキね、駅前のケーキ屋さんので、おいしいって言われてたのよー』 「そ…そうなんだ…」 『ごちそうさま』 隣で声がしたと思ったら、すでに食べ終えた蓮が立ち上がった。 『風呂、入ってくる』 それだけ呟くと、蓮は部屋に戻っていった。 『…なぁに?あれ。おいしくなかったのかしら?』 不思議そうに首を傾げるお母さんに、心の中で突っ込んだ。 “…お母さんのタイミングが悪いからだよ…” .