「悪い朝、俺、返してくるわ」 『おー、行ってらっさい』 朝に見送られながら、俺は携帯で加恋にメールした。 《俺、加恋の数学の教科書持ってたんだけど。 ちょっと下に来れない?》 これで…家以外でも加恋に会えるし! 俺が階段の下で加恋を待っていると 「蓮!ごめん!…教科書ありがと!」 加恋が走ってきた。 たった2階から1階なのに…走ってくる加恋が愛おしい。 .