「あー、めっちゃ緊張してきた」

「緊張することなんか何もない。隣には俺がいるし、体調悪い時は無理せず言うこと」

「改めて報告とか、緊張するじゃん!」

「ちょっとよく分からない。大丈夫だ、ドンと構えておけ」

「ほんと、そういうところだと思います…」

今日は、いよいよ両家の両親に妊娠していることを報告する日。

結局、男性陣には秘密にしておこうということになり、私のお母さんとお義母さまには報告済み。

女性陣への報告の時以上に緊張してるっていうのに、智明はいつも通りだし。

なんか悔しいけど、まぁ余裕持ってくれてる方が私としても安心なわけで。

「蛍、忘れ物ない?」

「うん、両家への手土産持ったし、スマホも財布も持ったし、大丈夫だよ!」

「よし、じゃあ行くよ」

重いものは智明に持ってもらい、私が持っているものといえば、スマホと財布だけ。

荷物自分で持つって出る直前まで粘ったのに、絶対ダメって言われた。

少しくらいならいいのにと拗ねる私に、蛍と赤ちゃんに何かあったら困るからという智明。

たしかに安定期に入ったとはいえ油断できないけど、そんなに過保護にならなくてもいいのになんて思っちゃう。