俺だけに見せて



「やっぱり
 窓を閉~めようっと」



「4月って言っても
 まだ寒かったねぇ」と追加し

震える肩をさすった陽菜は


「いいよね?」と
隣に立つ俺に微笑むと

俺の返事も待たずに窓を閉めた。



「亮くん、席につこうか。
 もうすぐ先生が来そうだし」



俺に背を向けた陽菜。

二人だけの時間が終わった合図。



「あっちゃんに
 昨日借りたヘアピンを
 返さなきゃいけなかったっけ」



そう言いながら
制服のポケットをに
手を突っ込む陽菜を見て

まだ俺のそばにいることに
安堵のため息がこぼれる。