俺だけに見せて



窓に頬杖をつく陽菜。


瞳を優しく揺らしながら微笑み
花びらを散らす桜を見つめている。



『だけど』の続き、俺は知ってるよ。


桜の花びらが散った後も
楽しみなんだろ?



新緑の葉がおい茂った桜の木。



陽菜は眺めているだけで
元気がもらえるって

幼稚園の頃から
はしゃいでたもんな。




「私ね、緑の葉っぱが茂る桜も
 大好きなんだぁ~」



肩を弾ませて『大好き』かぁ~。


その言葉、俺に向けて言って。


……って

情けな……俺。



自分は陽菜への秘め心を
伝えられずにいるのに

陽菜に期待しちゃうなんてさ。