「あ~。
陽菜が一人で寝るのが怖いって
泣いてた時な」
「泣いてないもん」
「涙ぬぐってたじゃん。
陽菜って、記憶力なさすぎ」
「その時に亮くん
言ってくれたでしょ?」
「何を?」
「一人で寝るのが怖かったら
パンパンって手を叩けって」
「……」
「そしたら亮くんが
向かいの部屋から顔を出して
笑わせてくれるって」
確かに言ったけど……
陽菜の顔見たさに
すごく勇気を出して
言ったけどさぁ……
「その頃の陽菜は
一度もパンパンって
手なんか叩かなかったじゃんか」
俺はさ、陽菜がいつ
俺を必要としてくれるかなって
ドキドキしながら
毎晩待ってたんだぜ。



