俺だけに見せて




一向に顔を上げない
陽菜を見つめたまま

俺は
最近の陽菜を思い出す。



そういえば陽菜の奴
図書委員の仕事中

春輝先輩に
頭をなでられていたっけ。




そっか。

そういうことか。



ちょいSな俺より
優しい春輝先輩の方が
彼氏にしたい。

そういういことか。




俺は窓の外の桜に目を移す。


優し気に咲く桜は
まるで春輝先輩そのもの。



勝てるわけない。


あんな男女問わず人気者で
優しさの塊みたいな男に。


勝てる気が、1ミリもしない。