予想外の事実に、私は素っ頓狂な声を上げてしまった。

 馬場君のお姉さんだったなんて……。そういえば、小鳥遊さんと同じ歳だとか、言ってたような……。

 小鳥遊さん……じゃなくて、航さんは私の反応を見て楽しんでいる。
 なんか、クールなイメージだったけどちょっと違うみたい。さり気なく「桃花」って呼び捨てで呼んだし、さっきは口調もいつもと違った。


 でも、どんな彼でも、やっぱり好きだ。
 
 驚かされた仕返しに、私も驚かせちゃおうかな?
 
「航さん。さっき、『初めて会った時から』って言ってましたけど、それって一年前のことを言ってますか?」

「——え?」

 航さんは不思議そうな顔をする。
 やっぱり、あの時の学生が私だとは、わかっていないみたい。

「私たち、もっと前に出会っているんですよ?」

 得意げにそう言ってみたのに、航さんはもっと驚くことを口にした。


「……もしかして、覚えているんですか? あの日、駅で倒れた時のこと」


「——え?」