20 (大好きな人の喜ぶ顔)


「鳳条先輩、出来ました!」


何か真剣な顔で考え事をしている鳳条先輩に、オムライスを持ってそっと声をかけた。


「あ、桜妃。」


「ここに置いちゃって大丈夫ですか?」


「ん、ありがとう。」


うん、やっぱり今日のは上手くできた気がする。


「桜妃はいいのか?」


「あ、はい。あんまりお腹すいてなくて。」


私なんていいから、鳳条先輩に食べて欲しい。


「そうか。お腹すいたら言うんだぞ?」


「はいっ、」


いつもの優しい鳳条先輩。


オムライスを見て、嬉しそうに笑う姿が何より可愛くてかっこいい。


「いただきます。」


しっかりと手を合わせてオムライスを口に運んだ鳳条先輩。