一回行けば済む量なのですが、なんせ二人きり。

気まずいです。

斗愛くんも今日は担任の先生との二者面談で遅くなると言いますし、ついてないです。


「佐々木さん、俺重い方持つから軽い方をお願い」
「はい。ありがとうございます」


これが斗愛くんだったら恋桃に確認を取ることなくしれっと重い方を持つんでしょうね。

奥田君の対応が悪いというわけではありませんが、ついつい斗愛くんだったら・・・と考えてしまいます。

それも無意識のうちに。

そのまま第二準備室までは特にこれといった会話はありませんでした。

荷物を置いてそのまま出ようと振り返ると、なぜか奥田君はドアを閉めてしまいました。


「? どうかされました?」
「ちょっと佐々木さんに聞きたいことあるんだけどいい?」
「手短にお願いします」


別に今じゃなくてもいいのでは・・・?と思いましたが、後回しにしても面倒くさいのでここで言ってもらうことにしました。