入学式から一週間。


 教室の中で、気の合うグループが周囲にできはじめた。


 おとなしくて人と話すのが苦手な私は、一人ぼっちで自分の席に座ってる。

 文学少女のように、小説を読んで休み時間をつぶすことが多い。

 同級生と、会話をしなくていいから楽だったりする。


「よっ、元気でやってるか!」


「あっ、おはようございます……」


 いつも遅れて登校してくるヤンキー男子。

 私が座る席の前を通る時、かならず声をかけてくる。


 同じ歳のクラスメイトでも、怖い見た目と威圧的な外見でビクビクしてしまう。

 だから無意識に、敬語で話てしまうけどしかたない。


 すでに遅刻の常習犯で、先生に目を付けられてると噂で聞いた。

 そんな若林くんが、自分の席に座ってすぐ私に言ってくる。


「なんだジミーちゃん、また小説か?」


「そう、です……」


 このクラスで、私に話かけてくるのは彼ぐらい。

 いつも、からかってくるような感じなので少し不快に思ってしまう。


 最近は、ジミーちゃんと言われても抵抗なく返事をしてしまう私がいる。

 だけど、それがクラスにも浸透し始めて、ちょっと嫌な感じ。



 陰でコソコソと、浅野は地味子だと陰口をたたかれてるのも知っていた。