ちょっと、想定外だった。

 前日の放課後、あんなに思い詰めてたのが嘘みたい。


 私って、もともとこの教室で一人ぼっちなんだ。

 登校しても、クラスメイトと朝の挨拶はしないし、会話もない。

 だから、何の変化もなく学校生活を過ごしてる。


 ただ……


 遅刻してきたヤンキー男子は、私の目の前を素通りして自分の席につく。

 黙ったまま、何も話かけてこない。

 私は言われたまま、口を閉じておとなしくしてる。


 彼は、カーストの子たちと仲良く話す機会が増えている様子。

 その中に、黒髪清楚の女子生徒もいる。


 彼女は、若林くんのそばにいつもいて楽しそう。

 笑顔も可愛いし、お似合いじゃないでしょうか……


 放課後も、どこかで一緒に遊んでるような印象。

 カーストの子たちと、一匹狼だったヤンキー男子の絆が強くなっていく。



 ……そんな時、事件はおきた。