王妃が隣国の国王を暗殺しようとしたなどと明らかになれば大変な問題になるから、シャルロットに全ての罪を被らせて穏便にことを済ませたいのだろう。
──全ては愚かなシャルロットの独断である。
そう言いたいのだ。
「ふざけるなっ!」
エディロンの怒声が響く。
「隣国の国王だからと思って丁寧に接していたが、我慢ならない。シャルロットは既に俺の妃で、ダナース国の王妃だ。あなた達は本当に彼女の親なのか!?」
その言葉からは、激しい怒りが感じられた。
そのとき、沈黙を貫いていたリゼットがため息交じりにぼそっと呟く。
「思い通りにならないからって怒鳴るなんて、本当に野蛮だわ。お姉様といい、エディロン陛下といい、血筋に卑しさは表れるのね」
「リゼット!」
なんて失礼なことを。
驚いたシャルロットはその発言を止めようとする。