「わたくしも……、わたくしもエリス国に連れて行ってください」
「シャルロットも? しかし、あそこはあなたにとって辛い思い出も多いのではないか?」

 エディロンは眉を顰める。
 エディロンが婚約期間中にシャルロットのことを色々と調べていたことはシャルロットも聞いていた。きっと、その過程で祖国でのシャルロットの境遇も知っているのだろう。

「いいえ、大丈夫です。それに、これはわたくしの祖国が起こした問題です。わたくしは、その結末をしっかりとこの目で見なければなりません」
「…………。わかった。一緒に行こう」

 エディロンはシャルロットの決心を悟ったようだ。

「ありがとうございます」

 シャルロットはぎゅっと両手の拳を握る。
 エリス国にはまだ弟のジョセフがいる。
 全ての問題をしっかりと解決しなければならない。