ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

(なんてこと……)

 六回も繰り返してようやく気付いた事実に、シャルロットは呆然とする。

(エディロン様、わたくしのことを蔑んで殺したのではなかったのね)

 目頭がまた熱くなるのを感じた。


    ◇ ◇ ◇


 その晩のダナース国の王宮は、上を下への大騒ぎだった。
 なにせ、国王の成婚という国を挙げての祝いの日に、その国王の暗殺未遂という国を揺るがす大事件が起きたのだから。

 当然のことながら、エディロンはその対応にかかりきりになった。
 そのため、すぐ近くにいるにもかかわらずシャルロットは結婚式のあとから彼に会うことすらできなかった。

 そんな中、エディロンがようやくシャルロットに会いに来てくれたのは結婚式の日から一週間ほど経った日だ。