お茶会は貴族社会において、重要な社交の場だ。
 参加者の顔ぶれを見てどの貴族とどの貴族が親しいのか、力関係はどうなっているのかを知るだけでなく、噂を含めて色々な情報を得ることができる。

 それに、現時点ではエディロンの婚約者であるシャルロットは次期王妃という立場だ。
 貴族達からしても、是が非でも親しくなっておきたいのだろう。

「できるだけ参加したいとは思うけれど、これ全部は難しいわ。選ばないと」

 シャルロットは一通一通、封を切って中身を確認する。一度目の人生でもたくさんの招待状を受け取った記憶があるけれど、こんなに多くはなかったような。

「皆様きっと、陛下のシャルロット様への寵愛を目にして色々と話を聞いてみたいのですね」
「ちょ、寵愛!?」
「寵愛でございます! わたくし、陛下とシャルロット様が仲睦まじい様子を祝賀会で給仕した女官仲間から聞いた際は、本当に嬉しくなってしまいましたわ」

 ケイシーは胸の前で両手を組み、うっとりと宙を見る。