「わたくしの故郷のエリス国では、女性騎士どころか王女も剣を握りますの。王族とて、自分の身を自分で守ることができるべきでしょう? 実は、今回の警備に女性騎士を入れたもの、わたくしの提案なんです」
「まあ、そうだったのですね」

 周囲から、感心したような声が漏れる。

 本当はシャルロットは警備の騎士のことなんて一切願い出ていないし、エリス国では王女も剣が握れるというのも嘘だ。シャルロットは特殊な事情があり握れるが、リゼットは剣に触れたことすらないだろう。

 けれど、エリス国は対外的に『神の祝福を受けた国』だ。だから、その立場を利用させてもらうことにした。