機嫌がよさそうなロナールのその言葉を聞き、シャルロットはほっと胸をなで下ろす。

 エリス国では、諸外国の来賓を招くパーティーの際は事前にどの料理になんの食材を使用しているのかを明記した物を来賓客にお渡ししていた。このユーリア国もそうだが、国によって食事の文化が大きく違うからだ。

 けれど、一度目の人生でこの祝賀会に参加した際はそういった配慮が一切されておらず、一部の来賓客は食事に困っていた。

「喜んでいただけたなら嬉しく思いますわ。確か、ユーリア国では中央を通るアイル川の魚は神聖なものとされているのでしたわね」
「ええ、そうです。よくご存じですね」

 ロナールは驚いたようにシャルロットを見る。

「ユーリア国はダナース国にとってもエリス国二とっても大切な国ですので」

 シャルロットは、にこりと微笑む。
 この対応は『私達はあなたの国を気にかけている』ということを示すことができ、ユーリア国側を大いに喜ばせた。

 エディロンとロナールは資源や食料品の輸出入の話をしだす。

(いい傾向ね)