暖かな日が続き、蕾がちらほらと開き出した頃。水沢さんとは自然に喋れるようになっていた。
「そういえば私も観たよ。坂口くんが言ってたバラエティ番組」
「どうだった?」
「もう家族みんなで大爆笑」
「ならよかった」
今日も彼女は、近くて遠い。
明日は俺のエックスデー。今日で彼女とはお別れだ。愛しい人に想いを伝えぬままここを去ることを、俺は正当化する。
「恋人と会える時間なんてほとんど取れなくなるってわかってるのに付き合ったりしたら、相手が可哀想じゃん」
と嘘をひとつついて。
「俺が寂しくて潰れる、そんなの。逢えないのに恋人同士でいるなんて相手を大切にするなんて、そんな器用なことできない」
そう本音も告げて。
「水沢さんも卒業しなよ」
彼女を突き放した。
「俺もちゃんと卒業するから。水沢さんも卒業して」
俺は君を、君は俺を卒業する。
こんなにも近くて遠い距離は、今日で終わり。
「そういえば私も観たよ。坂口くんが言ってたバラエティ番組」
「どうだった?」
「もう家族みんなで大爆笑」
「ならよかった」
今日も彼女は、近くて遠い。
明日は俺のエックスデー。今日で彼女とはお別れだ。愛しい人に想いを伝えぬままここを去ることを、俺は正当化する。
「恋人と会える時間なんてほとんど取れなくなるってわかってるのに付き合ったりしたら、相手が可哀想じゃん」
と嘘をひとつついて。
「俺が寂しくて潰れる、そんなの。逢えないのに恋人同士でいるなんて相手を大切にするなんて、そんな器用なことできない」
そう本音も告げて。
「水沢さんも卒業しなよ」
彼女を突き放した。
「俺もちゃんと卒業するから。水沢さんも卒業して」
俺は君を、君は俺を卒業する。
こんなにも近くて遠い距離は、今日で終わり。



