『俺からしたら何で気付かないの?って感じなんだけど』
いつものように繋がる午後9時。
ゲーム友達というポジションは卒業したけれど、変わらず一緒にゲームをしてくれる早坂くん。
「気付かないよ。ゲームしかしてないのに」
どうやら早坂くんは私の鈍感さに呆れている様子だ。
『いや、何とも思ってない子とずっとゲームしないでしょ。てか、しないよ。俺は』
「そうなの?」
私は今の関係が壊れるのが嫌で、ずっと隠してきた。
もっと早く伝えればよかったのかもしれない。
「でも、早坂くん。ちょこちょこ彼女いたよね」
『ん?』
「中3の時と、高校1年?あとー…」
『えーっと、あかりさん。始まるよ。準備完了押して』
分かりやすく誤魔化した早坂くん。
「あ。逃げた」
『まあまあ。過去の事なんでね』
「調子いいー」
ヘッドセットから聞こえる早坂くんの声が心地よい。
3年前、伝えられなかった気持ち。
キッカケは突然だったけれど、後悔を残さず卒業出来た。
早坂くんは、もしかしたらずっと私の気持ちに気付いていたのかもしれない。
でも一歩踏み出せたのは、あの時、ドッジボールで早坂くんが私の背中を押してくれたからだ。
『そんな事より、あかり』
「へ?」
『好きだよ』
「え…
あ!!!」
キャラクターピックを間違えてしまう。
『ぶっ、単純なやつ』
「…むかつく」
からかわれてばかりだけど、
これからは、ゲームの時のように強気で積極的な自分になれますように。
おわり



