「あんなに大勢の前で、私に好きな人がいるって言うなんてどういう神経?」
言われた通り、今日はゲームの招待を無視しなかった。
というか出来なかった。
それに、学校であんな風に話したら無視しているのがどうでもよくなった。
『ああでもしないと、アイツしつこいよ』
「…仲良くするかどうかは、私が決めるし」
『いや、何でそうなんの』
久しぶりのゲームだけど、何だか今日はずっとケンカ腰だ。
そういう時は、ゲームもうまくいかない。
「早坂くん、ずるいよね」
『何が?』
「私だけ、やり残した事やった」
『それ、ずるいの?』
「早坂くんだってやり残した事あるのに」
『ハハ、確かに』
何となく、ゲームをする気分にもなれず、
ゲームのロビー画面をじっと見つめる。
『あかり』
「はい」
『卒業式の日、東棟の屋上来て』
「え?」
『今日はそれを言いたかっただけだから』
「え?」
ボイスチャットは一方的に切れた。
ドッジボール大会の私の告白は、行き場もなく宙に浮いたまま。
早坂くんはイエスもノーも言わず、卒業式の日までゲームの招待は一度も無かった。



