教室を出ると、休み時間の廊下には生徒が沢山いる。
隣のクラスを横切らなければ調理実習室には行けないのに、そこには早坂くんを含めた隣のクラスの男子生徒がふざけ合っていた。
早坂くんは窓側の壁に寄りかかって、中学生のように戯れる友達を笑いながら眺めている。
どうしよう。
どうやって通り過ぎよう。
「ちょ…ちょっと里奈、私こっち側の方が落ち着く」
「え?なに、あかり」
「シッ!いいから」
私は、里奈を壁にするように左右を入れ替わった。
出来る限り、下を向いて、体を小さくして。
通り過ぎる瞬間、チラッと視線を一瞬上げると早坂くんと目が合う。
すごい見られてた。
何か怒ってる、絶対怒ってるよ。
私が早歩きになろうとした時、後ろから腕を引かれ「ひっ」と思わず声が出た。
早坂くんかと思って恐る恐る振り返ると、私の腕を掴んでいるのは早坂くんでは無かった。
「え…?」
早坂くんの隣に居た男子生徒だ。
「ドッジボール大会の救世主だよね?」



