「で、やり残したこと終わらせる?」
「え?」
「ボール落とさなかったってことは後悔したくないっていうのが本心なんでしょ」
「う…」
その通りなんだと思う。
後悔したくない。
大学は地元から離れる早坂くん。
言わなかったら、次こそ本当に一生後悔するような気がする。
たかが高校生の恋愛なんて大人になったら可愛い思い出で、笑い話になるのかもしれないけれど。
今の私にとっては大切な気持ちだから。
そう分かってるから、私はボールを追いかけたんだ。
「ま、でも。俺がけしかけたからとかじゃなく、自分で考えて決めないと意味ないけど」
早坂くんが再び振り向いた。
グラウンドからはドッジボールの楽しそうな騒めきが聞こえる。
早坂くんは、私が後悔しないように後押ししてくれているんだろう。
迷うな、私。覚悟を決めないと。
「早坂くんに…」
「ん?」
「…早坂くんが、好きなの」
「え?」



