「あ…」
ありがとうと言おうとして、目が合う。
至近距離で早坂くんの動きが止まって、つられて私もフリーズした。
恥ずかしいのに、目を逸らしたら負けな気がして早坂くんから視線を逸らせなかった。
早坂くんはフッと笑った。
「顔、赤い」
そのひと言に、私の顔は更に紅潮して、なぜか早坂くんの瞳が一瞬揺れたのが、見えた。
「わっ」
私がさっき投げつけたハンドタオルを顔面に被せられ、早坂くんの「…降参」のひと言で地獄の至近距離合戦は幕を閉じた。
早坂くんはくるっと背中を向けて、フーッとため息を吐いた。
こんな事で赤面する私に呆れたのかもしれない。



