相手は残り2人。
私たちは3人。
女子は私だけだったからなのか、あまり狙われない。
「あ!」
男子同士のキャッチボール状態の状況をウロチョロしながら目で追っていたら、遂に同じチームのもう1人の生徒が外野に出てしまった。
相手コートからは「よっしゃー」なんて聞こえてきた。
もし早坂くんが外野に出てしまったら、私1人なんてもう負け確定だ。
脳内は、どうする?どうする?という自問自答の繰り返し。
ほとんど私にボールが飛んでこないから、勝敗の鍵を握ってるわけじゃない気がするけれど。
だって。もし、もし勝ったら、私は本当に早坂くんに気持ちを伝えられるの?
負けたら、告白しないの?
それって後悔しないの?
ていうか、何でこんなに悩まなきゃいけないの!
早坂くんが勝手に言い出しただけなのに。
開き直ろうとしたその時、私の前方に居た早坂くんの腕に当たったボールが弾かれ、私の少し後方に向かって飛んできた。
「やべ」
このボールが落ちたら、絶対に負けが決まる。
外野から「あー!!!」と大勢の叫び声が聞こえる。
私の足は、自然とボールを追いかけた。
運動が苦手な私が、よろけながらボールの落下地点に向かって走る。
きっと必死で、落としてたまるかって、そんな顔をしてるんだ。
何やってるんだ。
ボールが落ちれば、告白しなくていいのに。
「あかり!!ストップ…」
胸に受け止めた大きなボールを両手でガチッとホールドする直前、早坂くんの大きな声がしっかりと耳に届いたけれど、止まれない私はそのまま地面にダイブした。



