指にかけられた魔法

深く話すようになってから知ったことがある。





それは、






彼は私以外の女子とはほとんど話さないこと。






というか、そもそも彼と他の人の間には分厚い壁がある。






それを突破した人としか彼は話さないのだ。






勝手に感じてしまう“特別感”。







私には見せてくれる柔らかい笑顔。






ちょっと子供っぽい部分。






だんだんと惹かれていっていた…。






私が誰かを“好き”になるなんて…






真夏なのに雪が降るかもしれない。







なんて馬鹿げたことを思ってる間に地獄なのか幸せなのか分からない体育の授業。






「やほー」






「おひさー」






軽く挨拶を交わす。






異常なほどいつもの自分で驚く。






ふわぁっとあくびをして目を擦っている仕草。






目に涙が溜まり、うるっとしている。







「眠いの?」







「うん、昨日さ夜中に…皇樹って分かる?あいつなんだけど、」






細い指が指す先にはガリガリの男子。






確かいつも彼と一緒にいる人だ。






「でー、皇樹から電話かかってきて寝落ち通話させられた。」






嬉しいのか、そうでもないのか微妙な顔をする。






「あいつ、彼女いんのに優と電話したい気分だった、とかどーでもいい理由でかけてくんだよ…」






いつも一緒にいる様子を思い出すと、皇樹くんは優くんに甘い気がする。







「そーいえばさ、」






優くんって好きな人とかいたりするの…?







心のそこからのエネルギーを今で使いきった気がする。






緊張で胸がどんどん痛くなっていく。






怖くて彼の表情を見れない。