タイムリミット

「こんにちは!失礼します!」

《こんにちはー》

声は高めでハキハキと。

礼は深く、丁寧に。

2年生の校舎は音楽室から1番遠く、もうほぼ全部員が着いていた。

防音のため、他の教室とは違う茶色ベースの壁。

机は部員により端に寄せられていて、広く感じる。

どこか特別な空間。

「詩音せんぱーい、今日のパートどこでしますかー?」

ザ·女の子な感じで、よく通る声。

銀色に光る縦長の楽器と譜面台を持ち、その雰囲気が彼女にあっている。

「渡り廊下でするかなー」

解放感溢れたあの場所なら、のびのびと演奏できる。

「分かりましたー」

といい、彼女は扉を閉め姿を消した。

(私も楽器出さないと。)

カバンから必要なものを出し、隣にある音楽準備室へ足を向けた。

音楽の先生と吹奏楽部員しか入れないこの場所。

大きいケースから、コンパクトなもの、変わった形をしているものなど様々な種類のものが丁寧に収納されている。

手前にあるシュッとしたケースに手を伸ばす。

中から2つの部品を出し、くっつける。

あっという間に組み立てられる。