校舎の裏に回ったあたしは、

「そういえば教頭先生」

「なんだね?」

「!?」

いきなり、職員駐車場にいる先生を見つけた。

慌てて、近くにあった倉庫の陰に隠れる。

っもう、教頭のくせに社長出勤って……ありえなくない……?

理科っぽい先生が、バーコード頭の教頭の後ろをついていく。

「最近、うちに侵入している他校生がいるみたいですね?」

「はっは、なんだね、そんなことか」

「そんなことか……とは?」

あたしもつい、?を浮かべた。なに、その不敵な笑い……

「ふふん、私もその件については考えていてね。すでにいろいろ仕掛けてあるんだよ」

「おおっ、なんとっ」

「今に見ているがいいさ、我が校に忍び込むネズミを、必ず捕まえるとも!」

「お頼もしいー!」

拍手喝采の理科先生と違って、あたしはげんなりした。

なになになにぃ?

つまり、あたしが何度もラブレター届けに潜入してるから、取っ捕まえようってわけ?

つまり、校内にトラップありってわけ?

マジ?

「上等……」

呟いて、あたしは教頭達を見送った。

あたしはそんな簡単には捕まったりしないって。