せ ん にゅ う

――で……

「終われたら楽なんだけどなあ」

と、一番下まで降りたあたしはぼやいた。

そうあたしにはまだ、脱出という試練が待っているんだ。

「おいっ、あっちにいたぞ!」「どこだ!?」「グラウンド側だ!」

「うげ……」

しかも今回は大勢の追手つき!

くそぅ、あのバーコードめ!!

あたしは一目散に、侵入してきた塀のとこまで戻った。

見れば――よかった、ワイヤーはそのままだ。

だったらすぐに脱出でき……

「はっは、はっはっは」

……なに、この不適な笑い……

木の幹の向こうから、にゅうっとスーツ姿のおっさんが現れる。

「やっと来たようだね、子ネズミちゃん。はっは」


思わず、魔王に出逢った気分で叫ぶ。

「出たな、バーコード!!」

「ばばっ、バーコード……?」

「アンタの頭よ! レジとおしの悪そうな、そのバーコード頭め!!」

「!?」

教頭の顔がトマトになった。