せ ん にゅ う

『侵入者、排除シマス』

また、あたしの前にぶら下がってきた爆弾蜘蛛。

あたしはそいつをひっ掴み、遠くへ投げ飛ばした。

向こうのほうで起こった爆発に、また校内が騒ぐ。

あたしは握り拳を作った。

「スパイを舐めんじゃないっつの」

ピンポンパンポーン♪

とその時……

『あ、あー、全校生徒諸君』

「!」

さっきの教頭の声が、放送された。

『ただいま、本校に部外者が侵入している。先ほどの爆発は警備システムの作動だ。全校生徒諸君に告ぐ、ただちに侵入者を捕獲するのだ!』

なっ、なんですってあのバーコードハゲ!

いきなりなんなんだっていう校舎のざわめきは、

『なお、捕獲者には食券一ヶ月分をもって褒美とする!!』

「「「オオオォォォォ――!!」」」

雄叫びに変わった。

ちょちょちょ……ちょっと待ってよ!?

今の瞬間で、食券に目がくらんだ男子全員が敵ってわけ!?

じょじょっ、冗談じゃないっ!

綾南高校は全校生徒500人いんのよ!?

『さあっ、今日は授業は一切なしだ! 侵入者を捕獲せよ!! ふわっ、はははは!』

あのバーコードジジィぃぃぃい――!!