せ ん にゅ う

息をひそめていると、さっき聞いた声がやって来た。

「みなさん、どうぞ落ち着いてくれたまえ」

あ、さっきの教頭……

真上からだと、そのバーコードヘッドがよ~く見えた。

「教頭っ、これはいったい!」

「はっは、最近、我が校に忍び込むやからがいるようでしてな、その警備装置が発動したんですな」

「警備装置?」

「その通り。校舎の至るところに、様々な仕掛けがあるのだよ。本校の関係者以外に反応する、特殊な装置だとも」

いつの間にそんなものを……と何人かの先生がぼやいてる。

まったく、マジでいつの間にそんなものを……

っつーか、どこからそんなお金出したんですか?

バーコード教頭が、高らかに言う。

「さあ先生方! 今日こそ、チョロチョロ動き回るネズミを捕獲するのだ! 我々の手に、本校の秩序がかかっている!」

「は、はい……!」

わらわらと散り始める教師陣。

つまり、もう、『だれかが潜入してる』ってことはバレちゃったわけだ……

っくしょ~、アジな真似を……