今日も一日が過ぎた。
早かったような遅かったような。
二十歳を過ぎてから嫌に時間が早く過ぎる。
大人たちは毎年「今年も早かった。」
と言っている。
これ以上早くなるのかととても怖くなる。
私に与えられた時間はなんら変わりないのに、
なぜか全く足りないように感じてしまう。
すべき事も減っているはずなのに、
頭の中はいつも忙しそうにしている。
見るもの聞くもの全てに考えを巡らせ、
息をするのにも気を張っている。
コンマ何秒で私の脳細胞は幾百個も死んでいるような気がする。
無駄に、大切な、私の細胞を使ってしまっている。
今私は、布団の上で目を瞑るだけでは眠れない苦しさを噛み締めている。
どよんと重い身体はお休みモードだが、
脳内はどんちゃん騒ぎだ。

ふっと、窓に目をやる。
星も月もない空。
物干し竿にかけられた布団たたきと布団ばさみが
意味のある1枚の絵画のように見えた。