「津久井先輩」 【完】





それから私は、毎日の様に先輩とトークアプリで連絡を取った。受験だからと控えていた先輩とのトークは他の友達に埋もれてしまい下の方にいってしまっていたけれど、今では常に一番上にある。


今日起きたことや、他愛もない話を送る私に先輩はよく怒りも呆れもせずに律儀に返事を返してくれるなあと思ったけれど、そういう優しさに私は何度も救われてきたのだと思う。

これが先輩が冷酷な人だったら、私は今頃違う人を好きになっていたと思うし、初恋もたったの数ヶ月で終わっていたと思う。


だけどいつも真剣に向き合ってくれる先輩だから⋯、私は今でも先輩に恋をしているのだろう。


だけどその優しさは残酷さと表裏一体の様な気もする。


だって先輩を好きでいて幸せな時間はたくさんあったけど、それと同じくらい辛い時間だっていっぱいあるから。



好きにさせといて振り向いてくれないなんて、一番タチが悪いよ、先輩。



そんな勝手な事を考えながら「おやすみなさい」とメッセージを送る。

朝起きた瞬間も夜寝る間際も、考えているのは二年間ずっと、津久井先輩のことだ。