「津久井先輩」 【完】







だけど、何度伝えても先輩が私の気持ちに応えてくれたことはなくて。


また今日も、私は先輩に悲しい顔をさせてしまう。



「柚葉、ごめんな」



初めて告白した日に聞きたくなくて逃げた「ごめん」という言葉もこの二年間で何度も聞いた。

その言葉を口にする度先輩は悲しそうな顔をしていて、振る方も胸を痛めるのだと知ったのはもう遠い昔だ。





「先輩⋯、私、先輩のことが好きなんです」

「⋯うん」

「二年前からずっと、好きなんです⋯」



初めて告白した時とは正反対の二月の肌寒い日。志望大学に合格した事を報告しに学校へと登校した先輩を捕まえて告白する私は、いつだって先輩への愛が溢れ返っていて。

何度も告白する私の思いを先輩はもしかしたら本気だと受け取っていないんじゃないかって思った時期もあったけど、いつだって先輩は真剣に私の気持ちに答えてくれていた。

いつだって切ない表情で「ごめん」って言うんだ。




今だって「好き」だと告げる私に向き合っている先輩の表情はどこか儚さを纏っていて、今日もまた、胸を痛めて私のことを振るんだ、って。そう思った。