「津久井先輩」 【完】






それからというものの、言葉通り、私は諦めなかった。


それまで以上に先輩に話しかけに行ったし、連絡先も交換してもらったし、好きですって気持ちを伝え続けた。

もう、しつこ過ぎるんじゃないの!?ってくらいに、津久井先輩のことを追いかけた。

先輩の瞳に映りたくて、可愛いって思ってもらいたくて、お洒落もメイクも頑張ったし、何度も告白だってした。



この二年間、両手に収まらない程先輩に告白をして、その全てに玉砕してきた。


それでも諦められなかったのは、津久井先輩のことが本当に大好きだからだ。


初めはかっこいいだけだったのに、いつの間にか本気で恋してた。


先輩を追いかける度、好きが増えていった。

先輩と言葉を交わす度、好きが溢れていった。



落ち着いた話し方も、低いのに優しくて心地よい声も、優しい眼差しも、柔らかい笑顔も。

しつこい後輩にだって愛想をつかさないで話しかければちゃんと答えてくれるところも。

まだ繋いだことはないけれど、大きな手も。


私が強請って呼んでくださいとお願いした「柚葉」という名前を呼ぶ先輩も。


たまにぶさける所も、同級生たちと楽しそうに笑う私に見せる笑顔とはまた少し違うその表情も。



とにかく、先輩のことがどんどん好きになっていった。


この二年間誰よりも先輩を追いかけてきたからこそ、先輩への愛は誰にも負けない自信がある。