二年前、高校生になったばかりの私はたまたま廊下ですれ違った津久井先輩に一目惚れをした。

スラリと高い身長に整った顔立ち。

少しタレた優しげな目元をした津久井先輩を一目見ただけで私の心は簡単に奪われてしまった。


そりゃあ、最初は外見からでしたよ?

この先輩かっこいいなって、華の女子高生になったばかりの私は浮かれてて、目に映る全てか輝いて見えて、その中で津久井先輩は一際キラキラしていて───────、



そんな、淡い恋心が何時しか譲れない恋心に変わったのは、もう思い出す事さえ難しい、些細な出来事の積み重ねだったと思う。



かっこいい先輩と仲良くなりたいと若干ミーハーな気持ちで思い切って声を掛けたあの日。先輩はいきなり話しかけてきたただの後輩にも柔らかく微笑んでくれたんだ。


思えば、私は先輩のその柔らかい雰囲気と笑顔が大好きだった。今でも。