「津久井先輩」 【完】










「さよなら、先輩」




そう口に出した瞬間、初めて先輩を目にした瞬間から今日までの思い出が一気に浮んできて、その時の空気も温度も匂いも全てが蘇ってきた。


恋に落ちた瞬間も、汗ばみながら叫んだ想いも、共に過ごした穏やかでだけどドキドキしっぱなしだった時間も、交わした言葉も笑顔も、全部が私の宝物だ。



二年間、春夏秋冬、あなたの事を想わない日はなかったよ。

だけどもう、私も卒業しなくてはならないみたいです。





「津久井先輩、大好きでした」




笑顔でそう告げた私に、私の大好きな、春の訪れを告げる様な穏やかで優しい笑顔を見せてくれた先輩を、懲りずに好きだなと思ってしまったのは、私だけの秘密だ。