「ごめんな、柚葉」
涙を拭ってくれないのは、先輩の優しさで。
だけど今はそんな優しさいらないから、縋らせて欲しかった。
その指で、触れて欲しかった。
だけどきっとそうされてしまったら私は余計先輩の事を諦められないだろうから、先輩の行動は正解で。
「先輩、私の事、迷惑じゃなかったですか?」
「迷惑じゃなかったよ」
「私といる時、一度でも楽しいって思ってくれた事はありましたか?」
「うん、あったよ」
例え、私の恋が報われなかったとしても。
私の隣で笑ってくれたあの優しくて柔らかな笑顔が本物だったなら、叶わなかった恋も少しは救われる気がした。
もう、タイムリミットだ。



