「ご友人って言うのは、どこにいるんですか?」

 蔵間さんの隣でそう問いかける私。

「さあな?どこにいるんだろうな」

 え、まさかいないとか?……な訳ないか。

「し、静哉さん……あのっ」

「どうした?莉羅」

 私の方に振り向く蔵間さん。蔵間さんのスーツ姿がカッコいいなと思ってしまっている私は、なんだかさらに緊張が増した。

「いえ、あの……何でもないです」

 さっきまでのパーカーとジーパン姿からは想像も出来ないくらい、イケメンなオーラを放っている蔵間さん。
 そんな蔵間さんの恋人役が私? いや、どう見ても釣り合ってないでしょ、これは……!
 なんて一人で勝手に思ってしまっている。

「莉羅、この中に俺の命を狙ってるヤツがいるはずだ。怪しいヤツがいないか、見ておいてくれ」

「……は、はい」

 蔵間さんのオーラに圧倒されている私は、そのことに意識を向けようと頭をブンブン横に振った。
 ダメダメ!余計なことは考えない。考えてはいけないのよ、今は。
 そう言い聞かせないと、ドキドキしてしまいそうだった。

「にしても、マジでカップルだらけだな」

「だってカップル限定、ですよ?」

 そりゃあそうに決まっているよ。