「お父様――!」
ソフィアは国王に抱きつくと、追い打ちをかけた。
「お父様のもとを離れるのはとてもつらいです! でもこれ以上わたしがお城にいたら、お父様を苦しめることになる……。これは今のわたしがお父様にできるたったひとつの親孝行なのです……!」
「うんうん、そうだなソフィア! お父様もこれ以上お前がつらく当たられるのを見てはいられない! よし、ランドールとすぐに結婚させてやるから待っていなさい!」
ソフィアは心の中でガッツポーズをした。
すぐと言うが、貴族――ましてや王女の結婚には時間がかかるものだ。
今日明日の話ではないだろうが、きっとゲームのプロローグ時点よりは先に結婚できるだろう。
(これで悪役令嬢ポジとはおさらばよ!)
心の中でにやりと笑ったソフィアは、「お父様――!」と父の胸で泣きじゃくるふりをした。


