不遇な転生王女は難攻不落なカタブツ公爵様の花嫁になりました

見よ、前世演劇部のこの実力。万年冴えない脇役だっただろうとは言わせない。きっと死なずに高校三年生を迎えていたらヒロインに抜擢されていたはず!

ソフィアは瞳をうるうると潤わせて、両手を胸の前で組んで"お願いポーズ"で王に迫った。

すると、ソフィアのポンコツな演技力にもころっと騙された国王は、突然わっと泣きだした。

「ソフィア……! お父様が頼りないばかりにつらい思いをさせてすまない……!」

まったくその通りである。

けれども、この場でそんなことは口が裂けても言えるはずがない。

ソフィアは首を横に振った。

「そんなことはありませんわ。わたし、お父様には本当に感謝していますもの。お母様が死んで、どうやって生きていけばいいのかわからなかったわたしを娘として迎え入れてくださったんですから」

「ソフィア――!」

感極まった国王は、ソファから立ち上がると、ひしと娘を抱きしめた。

ちょろすぎる。

こんなんだから王妃の尻に敷かれるのだ。

だがしかし、もちろんそんなことも言えない。