不遇な転生王女は難攻不落なカタブツ公爵様の花嫁になりました

もっと言えば、ランドールの両親は何者かに殺害されたのだが、その事件をきっかけにランドールは他人を信じられなくなって、ヒロインであるキーラに対しても心を閉ざす。

しかしランドールの両親が存命であるからか、ランドールに人間不信の兆候は見られず、キーラのことも妹のように可愛がっていた。

ランドールを取り巻く背景だけでもかなり食い違っている。

(ランドールが王位継承権二位っていう設定は変わらないから、彼の両親が生きてても死んででも大差ない……ってことなのかなあ?)

だが、やはり設定と違うには違うのだ。オリオンの言う通り、ゲームの設定資料集とは一致していない部分がいくつもある。

「だから、逃げ道はどっかにあるって」

「……本当にそう思う?」

「思う思う。つーかあんたが悪役令嬢ポジのままだったらわたしの身も危ないんだから、なくてもなんとかしてくれなきゃ困る」

さっきは適当なところで逃げると言っていたくせに、ソフィアが親友の転生者だとわかったからだろうか、この口ぶりだと最後まで付き合ってくれる気のようだった。

ゲームのストーリー展開通りに進めば、悪役令嬢ソフィアは断罪後、修道院へ閉じ込められたり、最悪の場合、謀反の疑いをかけられて死罪になったりする。

ろくな未来は待っていない。

ソフィアは遠回しな中学時代からの親友の優しさにちょっぴりほっこりしつつ、細い(あご)に手を当てて考え込んだ。

「具体的に、どうやったら悪役令嬢にならなくて済むかしら」