俺は、相変わらず読書三昧で過ごしていて、やっと卒業式の日を迎えた。

本当に「やっと」という感じだ。

これで、もうこの学校とも、田舎とも縁を切れる。



卒業式では、泣いている生徒も多かったが、何が悲しくて泣いているのやら…と、白けた気分で見ていた。

さっさと帰ろう…と、人でごった返す校門から離れようとすると


「ねぇ、ショウちゃん!」

もう聞き飽きた…でも、もう二度と聞くことのない声に振り向いた。

「なんだよ」

最後ぐらい優しく接したかったのに。