顔を隠そうとする腕からのぞく頬が、少し赤くなっている気がする。
えーと・・・なにくん、だっけ。
そういえば、後輩くんの名前・・・おぼえてない・・・。
毎日、三人で昼を一緒に食べているというのに・・・。
「君の名前、なんだっけ?」
「・・・それ、今ですか?」
「・・・梨那⁉タ・イ・ミ・ン・グ!!」
そ、そんなに怒らなくても・・・。
「いいですけど。俺は東雲岬です。東の雲に、海の”岬”」
「へぇ~。珍しい読み方するんやのー」
「別に珍しくはないですよ。従妹もここに通ってますし」
「ご・・・ごめんね、突然」
後輩の名前を憶えていないなんて・・・先輩として不覚すぎる・・・。
そういえば、顔はもういつも通りに戻ってる。
「いえ。こちらこそ、偉そうな口をきいてしまってすみませんでした。・・・先輩が俺の名前を憶えていないことには驚きましたが」
「あんた、そーゆーとこの性格が悪いっちゅーてんのや」
そ、そんなこと言わないであげて・・・っ!
バシンッ、と東雲くんの頭を叩くみっちゃん。
二人はいつもケンカするわけじゃないけど、自然に殴り合いになっていそうな雰囲気があったりなかったり。
気付いたらチャイムが鳴っていることが殆どだ。

