後輩くん、本性注意。

先生が耳元で大きい声で言っても、幸せそうに寝てる。

「全く、これだから柏は・・・。いつも通り、富良野(ふらの)頼んだ」


「はーい」とのんきに立ち上がったのは・・・茶髪の男子。


富良野(りょう)

みっちゃんの幼なじみであるこの人は、とってもかっこいい。

みっちゃんと並ぶと美男美女。

端正な顔つきで、女装したら綺麗なお姉さん、って感じだ。

・・・うらやまし。


歩いてみっちゃんの席に行く涼くん・・・いつも通り足が長くてスタイル良すぎ。

・・・うらやまし。


そんなことばっかり思って頬杖をついてしまう。

そして、そんな彼か私の声でしか、授業中のみっちゃんは起こせない。


・・・理由は知らないけど。



涼がみっちゃんの耳元で何か囁くと、みっちゃんは目をかっぴらいて勢いよく起きた。

「――はぁ⁉」

「うそうそ、今授業中だから起こしただけ」

「・・・」

ははは、と笑う涼につられて、クラスのみんなも笑いだす。


「それで富良野、今日は何言ったんだ」


先生が面白そうに訊くと、涼は唇の端を少し上げて、

「推しがサプライズで来てる・・・って」

そう答えて、自分のことを睨むみっちゃんを見て、ふっと笑った。

その姿を見て、女子がちょっと頬を赤らめる。


あくまで予想だけど、多分涼はみっちゃんのことが好きなんだと思う。

なんというか・・・みっちゃんにだけは、特別なんだ。


距離が近いというか、声音が違うというか、笑顔が違うというか。

みんなや私に向ける態度はもちろんとても親切だけど、みっちゃんにだけは違う。


って私は感じてるけど、実際はどうなのかなっていうのが、とっても気になる・・・。