だが、いつも部屋着として愛用していたパーカーにそのスニーカーなんて履いていたら気づくに決まってるのに。 黒板に自分の名前を書いて振り自己紹介を始めた。 「百合丘中学出身の一ノ瀬恋です。」 できる限り愛想良く笑顔を取り繕う。 その名前に反応したのか今まで机に突っ伏していた顔を勢いよくあげたのが見えた。 (ふふ、可愛いなぁ。) そんなことを思いながら自己紹介は淡々と進んでいく途中、1人の女の子が質問をしてきた。 「転校理由はなんですか?」